日記・コラム・つぶやき

2017年8月 7日 (月)

≪漢詩鑑賞≫酒を酌んで裴迪に与う(王維)

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王維こそは、天才と言えると思う。

この詩は王維が若い友人裴廸(はいてき)を慰め励ました詩である。

科挙の試験にも受からず、失意の時代であった裴廸に酒を勧めている王維の姿・・・。

所どころ、王維自身の人の世に対する実感が含まれているようだ。

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酒を酌んで裴廸に与う

酒を酌んで君に与う君自ら寛(ゆる)せよ

人情の飜覆(はんぷく)は波瀾(はらん)に似たり

白首(はくしゅ)の相知(そうち)すら猶お剣を按じ

朱門の先達は弾冠(だんかん)を笑う

草色(そうしょく)は全く細雨を経て潤い

花枝(かし)は動かんと欲して春風寒し

世事浮雲何ぞ問うに足らん

如かず高臥(こうが)して且(しばら)く飡(さん)を加えんには

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2017年7月29日 (土)

≪漢詩鑑賞≫飲酒(陶淵明)

猛暑が続く。

天気予報では、南の海で台風が発生していて、来週は日本列島に影響を及ぼすことが、心配だ。

今週は、国会閉会中審査で、党利党略の「加計問題」などが「水掛け論」が繰り返された。

陸自の日報問題では、稲田防衛大臣が防衛省・自衛隊を統率できず辞任した。

一方、民進党の蓮舫氏が党内対立を原因として代表辞任した。

今日は、土曜日。

久しぶりに、政治を忘れて『陶淵明の世界』に浸りたい。

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Insyu


 

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2017年7月 5日 (水)

≪漢詩鑑賞≫垓下の歌(項羽)

項羽は、劉邦と天下をかけて戦う。

項羽は、軍事的な優位、幾度かの圧倒的な勝利にもかかわらず劉邦の計略に落ちて最期を迎える。

負けん気の天才・項羽は、四面楚歌(取り囲んでいるのが自分の楚の国の人だった)を聞いてがっがりする。

だが、現実を認めたくない。

こんなことがあってよいものか、「時利あらず」にはそんな狼狽が込められている。

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力山を抜き気世を蓋(おお)

時利あらず騅(すい)(ゆ)かず

騅の逝かざる奈何(いかん)すべき

(ぐ)や虞や若(なんじ)を奈何せん

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2017年6月23日 (金)

韓国・文政権の妄言

北朝鮮当局に拷問を受けていた米国人青年が、解放後亡くなった。

トランプ大統領は、北朝鮮を非難した。

当然だがトランプ氏だけでなく、米国国民の「極悪非道な北朝鮮に対する怒り」は高まっている。

この「怒り」は、罪もない日本人を拉致し40年以上も拘束している北朝鮮に対して、日本人が普通に持つ感情と同じである。

国際世論も目を覚ます傾向にある。

そのような北朝鮮に対して、韓国の文政権は、妄言を放っている。

9ケ月後に予定されている平昌(ピョンチャン)五輪を、「同じ民族だから」「平和の祭典だから」という理由で南北共同開催を提唱している。

何という妄言か!

「資金が枯渇しつつある」北朝鮮にとっては、「外貨獲得」が死活的に必要である。

その為に、制裁を継続しているのに、北朝鮮でオリンピック競技を開催すれば、その「外貨」資金が核やミサイルの資金に転化されるだけである。

北朝鮮に対する「融和政策」は、何度も繰り返し失敗していて、北朝鮮の独裁政権を補完する役割だけであった。

「同じ民族だから」「平和の祭典だから」とは、許し難い妄言である!

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2017年6月22日 (木)

≪漢詩鑑賞≫金州城下の作(乃木希典)

乃木希典は、日露戦争では、旅順攻略の将軍として有名である。

この詩では、長男の戦死や多数の兵を失った悲哀が溢れ出ている。

凱旋将軍の高揚感よりも、むしろ「愧ず我何の顔ありて父老に看えん」というように自責の念が強い。

軍人の豪放さよりは、文人としての繊細さが優れた人である。

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金州城下の作

山川草木轉荒涼  山川(さんせん)草木転(うた)た荒涼

十里風腥新戦場  十里風腥(なまぐさ)し新戦場

征馬不前人不語  征馬前(すす)まず人語らず

金州城外立斜陽  金州城外斜陽に立つ

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2017年6月10日 (土)

≪漢詩鑑賞≫五言絶句の名作七選

① 春暁(孟浩然)

春眠不覚暁  春眠(しゅんみん)(あかつき)を覚えず

處處聞啼鳥  処処啼鳥(ていちょう)を聞く

夜来風雨聲  夜来(やらい)風雨の声

花落知多少  花落つること知んぬ多少ぞ

② 鶴鵲楼(かんじゃくろう)に登る(王之渙おうしかん

白日依山盡  白日山に依りて尽き

黄河入海流  黄河海に入って流る

欲窮千里目  千里の目を窮めんと欲し

更上一層楼  更に上る一層の楼

③  鹿柴(ろくさい)(王維)

空山不見人  空山人を見ず

但聞人語響  但だ人語の響(ひびき)を聞く 

返景入深林  返景深林の入り

復照青苔上  復た照らす青苔(せいたい)の上

④  静夜思(せいやし)(李白)

牀前看月光  牀前月光を看る

疑是地上霜  疑うらくは是れ地上の霜かと

挙頭望山月  頭を挙げて山月を望み

低頭思故郷  頭を低(た)れて故郷を思う

⑤  絶句(杜甫)

江碧鳥逾白  江碧にして鳥逾(いよいよ)白く

山青花欲然  山青くして花燃(も)えんと欲す

今春看又過  今春看(みすみす)又過ぐ

何日是帰年  何れの日か是れ帰年ならん

⑥  江雪(柳宗元)

千山鳥飛絶  千山鳥飛ぶこと絶え

萬徑人蹤滅  万径(ばんけい)人蹤(じんしょう)滅す

孤舟蓑笠翁  孤舟蓑笠(さりゅう)の翁

獨釣寒江雪  独り釣る寒江の雪

⑦ 胡隠君を尋ぬ(高啓)

渡水復渡水  水を渡り復た水を渡り

看花還看花  花を看還た花を看る

春風江上路  春風江上の路

不覚到君家  覚えず君が家に到る

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2017年6月 3日 (土)

≪漢詩鑑賞≫岳陽楼に登る(杜甫)

杜甫57歳の作。

洞庭湖のながめは素晴らしいと昔から聞いていて、今、はからずも流浪の旅の末に来たとの感動から始まる。

後半は、この大きな自然の中に、岳陽楼の手すりにもたれて、遠く都の空をしのぶ老いた杜甫の姿が、深い感動をもたらす。

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岳陽楼(がくようろう)に登る

昔聞洞庭水  昔聞く洞庭の水

今上岳陽楼  今(いま)上る岳陽楼

呉楚東南拆  呉楚東南に拆(さ)

乾坤日夜浮  乾坤(けんこん)日夜浮かぶ

親朋無一字  親朋(しんぽう)一字無く

老病有孤舟  老病(ろうびょう)孤舟(こしゅう)有り

戎馬關山北  戎馬(じゅうば)関山(かんざん)の北

憑軒涕泗流  軒(けん)に憑(よ)れば涕泗(ていし)流る

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昔から洞庭湖(洞庭の水)の壮大さについて噂にきいていたが

今、岳陽楼の上って、眼前にその湖面を眺めている

呉と楚の国は、それぞれこの湖によって東と南に引き裂かれ(東南に坼け)ており、

その湖面には、天地宇宙全てのもの(乾坤)が昼夜の別なく影を落として浮動している

さて、今の私には、親類や友人(親朋)から一字の便りさえなく

この老いて病む身に、ただ一そうの舟(孤舟)があるだけだ

思えば、今なお戦乱(戎馬)が関所や山を隔てた北の故郷では続いている

楼上の手すり(軒)に寄りかかって(憑れば)いると、涙(涕泗)が流れ落ちるばかりである

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2017年5月20日 (土)

≪漢詩鑑賞≫詠懐詩(阮籍)

作者の阮籍(げんせき)は、魏の詩人。

竹林の中で清談を交わしたとされる、所謂「竹林の七賢」の領袖である。

阮籍が生きた時代は、名士が権謀術策に落ちて命を失う事も多かった。

大酒飲みだが、人に阿(おもね)らず、世を超越していたのは、阮籍の処世術であったのかも知れない。

この詩は、高士の孤独と憂鬱を詠っている。

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詠懐詩(えいかいし)

夜中不能寐  夜中寐(い)ぬる能わず

起坐弾鳴琴  起坐(きざ)して鳴琴(めいきん)を弾(だん)

薄帷鑑明月  薄帷(はくい)に明月鑑(て)

清風吹我襟  清風我が襟を吹く

孤鴻號外野  孤鴻(ここう)外野に号(さけ)

朔鳥鳴北林  朔鳥(さくちょう)北林に鳴く

徘徊将何見  徘徊して将(は)た何をか見る

憂思獨傷心  憂思(ゆうし)して独り心を傷ましむ

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夜もふけたが、どうにも寝つかれない。

起きて床の上に座り、琴を弾く。

薄いカーテン(薄帷)に、明るい月の光が差し込み、

清々しい風が、私の襟のあたりを吹きすぎてゆく。

外の荒れ野では、一羽の大きな雁が、悲しげな鋭い声をあげた。

北の林では、おびただしい雁の群れが、騒がしく鳴きわめく。

外へ出て歩き回り、何を見ようか。語るべき友もいない。

憂いの思いに沈み、ひとり寂しくなる。

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2017年5月 6日 (土)

≪漢詩鑑賞≫江南の春(杜牧)

杜牧は、晩唐の詩人である。

杜甫を「労杜」というのに対して、「小杜」と呼ばれる程、晩唐第一の詩人で、私も好きな詩を創っている。

特に七言絶句にその才は発揮され、軽妙洒脱な詩には魅了される。

『江南の春』は、江南地方の明るい農村の風景と懐古の情が描き出されている傑作である。

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江南の春

千里鴬啼緑映紅  千里鴬(うぐいす)啼いて緑紅に映ず

水村山郭酒旗風  水村山郭酒旗(しゅき)の風

南朝四百八十寺  南朝(なんちょう)四百八十寺

多少楼臺煙雨中  多少の楼台(ろうだい)煙の中

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見渡すかぎりの広々とつらなる平野の、あちらからもこちらからも、うぐいすの声が聞こえ、木々の緑(柳の緑が花の紅(桃花の紅)と映じ合っている

水辺の村(水村)や山ぞい(山郭)の村の酒屋の目印の旗(酒旗)が、春風になびいている

古都金陵には、南朝以来の寺院がたくさん並び

その楼台が春雨の中に煙っている

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2017年4月19日 (水)

≪漢詩鑑賞≫石壕の吏(杜甫)

杜甫48歳の作。

洛陽に旅した後の帰途、石壕村での見聞をうたったもの。

この詩の主役は老婆であるが、役人(吏)の威嚇に対して、堂々と申し開きをする。庶民の強かさが伺われる。

社会派詩人としての真骨頂である。

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石壕の吏

暮投石壕邨  暮に石壕村に投(とう★投宿)ずれば

有吏夜捉人  吏有り夜に人を捉(とら★徴発)

老翁踰牆走  老翁(ろうおう)(かき★土塀)を踰(こ)えて走り

老婦出門看  老婦(ろうふ)門を出でて看る

吏呼一何怒  吏の呼ぶこと一に何ぞ怒れる

婦啼一何苦  婦の啼(な)くこと一に何ぞ苦しめる

聴婦前致詞  婦の前(すすだ)んで詞を致すを聴くに

三男鄴城戌  三男は鄴城(ぎょうじょう)の戌(まも)

一男附書至  一男は書を附して(★手紙をことづけて)至り

二男新戦死  二男は新(あらた★最近)に戦死す

存者且偸生  存する者は且(しばら)く生を偸(ぬす)

死者長已矣  死せる者は長(とこし)えに已(や)みぬ

室中更無人  室中(しつゆちう)更に人無く

惟有乳下孫  唯だ乳下(にゅうか★乳離れをしていない)の孫有り

孫有母未去  孫に母の未だ去らざる有るも

出入無完裙  出入に完裙(かんくん★満足なスカート)無し

老嫗力雖衰  老嫗(ろうおう)力衰(おとろ)えたりと雖ども

請従吏夜帰  請(こ)う吏に従って夜帰(き)せん

急應河陽役  急に河陽の役に応ぜば

猶得備晨炊  猶お晨炊(しんすい★朝の炊事)に備(そな)うるを得ん

夜久語聲絶  夜久しうして語声絶え

如聞泣幽咽  泣いて幽咽(ゆうえつ★むせび泣く)するを聞くが如し

天明登前途  天明(てんめい★夜明け)前途に登り

獨輿老翁別  独り老翁と別る

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