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2019年10月11日 (金)

≪漢詩鑑賞≫商山の路にて感あり

白居易、字は楽天。中唐の大詩人である。

代表作の『長恨歌』は、白居易35歳の作。

玄宗と楊貴妃の悲恋を詠った官能的な長編詩である。

ここでは、『商山の路にて感あり』(五言律詩)を鑑賞する。

前々年、六年ぶりに戻った朝廷は、宦官の支配下にあり、大臣たちは政争に明け暮れていた。

失望した白居易は、自ら外任を希望し、杭州の刺史となった。この詩は、赴任の途中、宿舎の壁に書きつけたもの。

白居易51歳の作である。

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商山の路にて感あり

憶昨徴還日 憶う昨徴(め)し還さるるの日

三人帰路同 三人帰路同じくす

此生都是夢 此の生は都(すべ)て是れ夢

前事旋成空 前事は旋(たちま)ち空と成る

杓直泉埋玉 杓直(しゃくちょく)は泉に玉を埋め

虞平燭過風 虞平(ぐへい)は燭(しょく)風を過ぐ

唯殘樂天在 唯楽天を残して在り

頭白向江東 頭白くして江東に向かう

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思えば昨年都に召還されたとき

三人とも同じ道を通って帰った

人生すべて夢のごとく

過去はたちまち虚無となる

李建(字は杓直)は、死者の地(黄泉)にその才能を埋め

崔韶(字は虞平)は、灯が風に吹き消されるように、はかなく死んでしまった

三人のうち、ただ私だけが寂しく生き残って

白髪の老いの身を、新たに任ぜられた江東の地へと運ぶ

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