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2015年11月 4日 (水)

≪漢詩鑑賞≫野望(王績)

作者の王績(おうせき)は、初唐の詩人。

酒好きで奔放な彼には、役所勤めは退屈だったが、酒を求めて官職に身を置く日々だった。

この詩は、「秋は夕暮れ・・・」の中、そうした孤高の詩人の寂しさを詠ったものである。

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野望(やぼう)  王績 <五言律詩>

東皐薄暮望  東皐(とうこう)薄暮に望み

徙倚欲何依  徙倚(しい)して何くにか依らんと欲す

樹樹皆秋色  樹樹(じゅじゅ)皆秋色

山山惟落暉  山山(さんさん)(た)だ落暉(らっき)

牧人駆犢返  牧人犢(とく)を駆(か)って返り

猟馬帶禽歸  猟馬(りょうば)(きん)を帯びて帰る

相顧無相識  相顧(かえり)みるに相識無し

長歌懐采薇  長歌して采薇(さいび)を懐(おも)

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東の丘(東皐)に立ち、夕暮れ(薄暮)の野をながめる

あたりをさまよって(徙倚)も身を寄せるところがない

山々は、落日(落暉)に赤々と染められている

牧夫が、子牛(犢)を駆りたてて戻って来た

狩人も、獲物(禽)を馬にくくりつけ帰ってくる

こうして家路を急ぐ人々をながめまわしても、見知らぬひとばかり

声を長くひいて歌い、首陽山で薇(わらび)をとった人をしのぶ

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※采薇  周の粟(ぞく)を食まず、首陽山で薇(わらび)を食べ、ついには餓死した伯夷・叔斉の兄弟を指す。二人は周の武王が武力をもって殷の紂王(ちゅうおう)を討つことを諫めたが、聞き入れなかった。

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