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2014年3月19日 (水)

クリミア情勢の視点①~民族自決と国際秩序

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◆対立概念

クリミア情勢は、緊迫している。

政治・軍事情勢は、【ロシア】対【欧米】の構図である。

しかし、背景にある対立概念は、【民族自決】対【国際秩序】といえる。

しかも、それは、「統治論」としての概念上の対立ではなく、武力衝突の危険性を内在している。

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◆住民投票とは?

数世紀の間、ロシア人が移住した結果、クリミア半島では(タタール系、ウクライナ系がマイノリティとなり)ロシア系住民がマジョリティとなった。

住民投票の結果、96%が「ロシア編入(併合)」を支持したのは当然である。

欧米は、「住民投票」そのものを、ウクライナの国家主権の侵害であるとして制裁・圧力を強めた。

当然ながら、「住民投票」は、軍事的圧力が背景にあろうが無かろうが、国際法上認められないことであるが、ロシアは「拒否権」を発動した。

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◆もし仮に「住民投票」をすれば?

もし仮に、我が国の北方領土(国後・択捉)で、「住民投票」を実施すれば、「ロシア編入」が100%支持されるだろう。

もし仮に、ウイグル自治区・チベット自治区で漢民族の大量移住が進めば、半世紀後には、ウイグルやチベットは、漢民族がマジョリティを占める。

今は、五分五分でも、その時、「住民投票」をすれば、マジョリティの漢民族が勝利するだろう。

しかし、「住民投票」とプーチンが根拠とする「民族自決」は無関係である。

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◆民族自決とは?

民族自決とは、各民族が自らの意志に基づいて、その帰属や政治組織、政治的運命を決定し、他民族や他国家の干渉を認めないとする集団的権利(自治権)である。

第一次大戦末期に、ウイルソン米大統領が、異民族の多いロシア帝国の弱体化を目論んで提唱したものである。

(植民地政策とは別の、ヨーロッパ内だけの概念である)

ナチス・ドイツは、「民族自決」を根拠として、ドイツ住民の多いチェコ・ポーランドに侵攻した。

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◆国際秩序

中国が最も警戒する概念が「民族自決」である。

第一次大戦末期の帝政ロシアと同じように、現代の共産党独裁の中国にはチベット自治区、ウイグル自治区、内モンゴル自治区のように異民族が多く、その人権は蹂躙されている。(ロシアとは事情が異なる)

「民族自決」の動きが、中国国内の異民族に飛び火することを、共産党政権が恐れているのである。

従って、中国が依拠するのは、第二次大戦後の「国際秩序」なのである。

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