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2013年12月21日 (土)

≪漢詩鑑賞≫左遷せられて藍関に至り、姪孫の湘に示す(韓愈)

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作者・韓愈は中唐の詩人。

幼少より苦労し、一時は節度使の幕下を転々とする不遇な暮らしをした。

儒学の振興に力を尽くした韓愈は、仏教は国風を乱すものと考え、免税の特権をもつ仏寺が盛んになるのを苦々しく思っていた。

のちに中央政界に復帰したが、皇帝への諫言(=仏教を信仰する天子の寿命は決まって短い)が憲宗の逆鱗に触れ、左遷され都を逐われることになった。

韓愈は、見送りにきた姪孫の湘に向かい、自己の固い信念を吐露した。

遺言の詩である。

※姪孫(てつそん)  兄弟の孫

※湘(しょう)  韓愈の次兄韓介の孫、韓愈の身内

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左遷せられて藍関に至り、姪孫の湘に示す

一封朝奏九重天  一封朝に奏す九重の天

夕貶潮州路八千  夕べに潮州に貶せらる路八千

欲爲聖明除弊事  聖明の為に弊事を除かんと欲す

肯将衰朽惜殘年  肯て衰朽を将て残年を惜しまんや

雲横秦嶺家何在  雲は秦嶺に横たわりて家何くにか在る

雪擁藍關馬不前  雪は藍関を擁して馬前まず

知汝遠來應有意  知る汝の遠く来たる応に意有るべし

好収吾骨瘴江邊  好し吾が骨を収めよ瘴江の辺に

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朝、一通の上奏文(一封)を奥深い天子の宮殿(九重天)に奉ったところ、夕べには八千里(路八千)も南の彼方潮州の地に流される(貶へんせらる)ことになった。

聖明なる天子のために、国家の弊害を除き奉らんとしたことである。この衰えはてた身(衰朽)で、いまさら老いぼれの余生(残年)を惜しむものか。

雲は秦嶺山脈にたちこめて、わが家がどこにあるかもわからず、雲は藍田関をうずめて(擁)馬もすすもうとはせぬ(馬不前)。

おまえがはるばるやって来たのは、きっと(応に)何か心づもりがあってのことであろう。ならば私の遺骨を毒気(瘴)たちこめる大川のほとりで拾いあつめるがよろしい(好収)。

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