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2013年11月29日 (金)

≪漢詩鑑賞≫賞心亭に登る(陸遊・七言律詩)

Gaolouzzb

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作者の陸遊(1125~1209)は、范成大、楊万里と並んで、南宋の三大詩人である。

政情不安の時代に生きた陸遊は、数回の左遷・免職を経験し、晩年は貧困のうちに自ら畑を耕し、恩給生活を送っていた。

そんな時、陸遊(54歳)は、范成大の口ききで都に召喚され、揚子江を下った。

この詩は、新たな官職につくために都に上る途中の作品である。

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賞心亭に登る

蜀桟秦關歳月遒  蜀桟秦関歳月遒(すみや)かなり

今年乘興却東遊  今年興に乗じて却(かえ)って東遊す

全家穏下黄牛峡  全家穏やかに下る黄牛峡(こうぎゅうきょう)

半醉來尋白鷺洲  半酔来り尋ぬ白鷺洲(はくろしゅう)

黯黯江雲瓜歩雨  黯黯(あんあん)たる江雲瓜歩(かほ)の雨

蕭蕭木葉石城秋  蕭蕭(しょうしょう)たる木葉(もくよう)石城の秋

孤臣老抱憂時意  孤臣(こしん)老いて抱く時を憂うる意

欲請遷都涕已流  遷都を請わんと欲すれば涕已に流る

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蜀の桟道、秦の関門へと西への旅をした年月はすみやかに流れ去り、今年は興のおもむくままに、かえって東への旅をしている。

一家そろって平穏に黄牛峡を下り、ほろ酔いきげんで白鷺洲を見物してやってきた。

黒々とした川の上には雲がたれこめて、対岸の瓜歩には雨が降り、ざわざわと木の葉が散って、石頭山は秋の気配。

孤高の臣である私は、年老いた今も、時世を憂うる気持ちをもっていて、この地への遷都を願い出ようとするのだが、それを思うだけでもう涙があふれ落ちてくる。

※陸遊39歳の時、金を撃退するために首都を臨安(抗州)から南京に遷すべきだと論じた。

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◆賞心亭 南京城の西のあずまや   

◆秦關 秦(長安地方)に行く関所で、金との国境地帯   

◆黄牛峡 湖北省宜昌の西の早瀬   

◆白鷺洲 南京の西南にある、揚子江の中洲   

◆瓜歩 地名。揚子江の北岸   

◆石城 南京の揚子江岸にある石頭山

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