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2013年10月27日 (日)

≪漢詩鑑賞≫晩唐の詩人・杜牧~七言絶句の名作(前編)

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私は、「定型詩」を好む。

日本の詩歌では、「短歌」(五七五七七)や「俳句」(五七五)があり、漢詩では、二句一組で一聯とし、四聯八句からなる「律詩」と、起承転結の四句からなる「絶句」がある。

また、「絶句」では、一句の字数が五字なら五言絶句、六字なら六言絶句、七字なら七言絶句と呼ぶ。

晩唐の詩人・杜牧は、私の好きな詩人である。

何故か、杜牧の作品には<七言絶句>の名作が多い。

恐らく、<七音絶句>の韻が、私の波長と合うのだろう。

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烏江亭に題す

勝敗兵家事不期  勝敗は兵家も事期せず

包羞忍恥是男兒  羞を包み恥を忍ぶは是れ男児

江東子弟多才俊  江東の子弟才俊多し

捲土重来未可知  捲土重来未だ知るべからず

いくさの勝敗のゆくえは、戦略家でさえも、予測のつかないものである。恥をしのび、肩身のせまい思いに耐え、再起を計ってこそ真の男子といえよう。

項羽の本拠地である江東の若者たちには、すぐれた人物が多いというから、もし江東の地に力をたくわえて、地面を巻き上げるような勢いも、再び攻めのぼってきたなら、その結果はどうなっていたかわからない。

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懐いを遣る

落魄江湖載酒行  江湖に落魄(らくはく)して酒を載せて行く

楚腰繊細掌中輕  楚腰繊細掌中に軽し

十年一覺揚州夢  十年一覚揚州の夢

贏得靑樓薄倖名  贏(あま)し得たり青楼薄倖の名

江南地方で遊び暮らしていた時は、どこへ行くにも舟に酒樽を乗せていった。昔の楚の美女もかくやとばかり、ほっそりした腰の美女も抱いたものだ。

それから十年、ハッと揚州の夢が覚めてみると、残ったものは、青楼での浮気男の評判ばかり。

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漢江

溶溶漾漾白鷗飛  溶溶漾漾白鷗飛ぶ

緑浄春深好染衣  緑浄く春深く衣を染むるに好し

南去北來人自老  南去北来人自ら老ゆ

夕陽長送釣船歸  夕陽長く送る釣船の帰るを

豊かにたゆたい流れる漢水、そのゆらゆらとゆれる水面を、真っ白な鷗が飛んでゆく。川辺の緑はみずみずしく、春はようやくたけなわで、私の衣を染めてしまうかのようである。

南へ、また北へ行き来しているうちに、人はいつか年老いてしまうものだ、。夕陽は見守るかのように、いつまでもいつまでも、家路につく釣り船を包んでいる。

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江南の春

千里鶯啼緑映紅  千里鶯啼いて緑紅に映ず

水村山郭酒旗風  水村山郭酒旗の風

南朝四百八十寺  南朝四百八十寺

多少樓臺煙雨中  多少の楼台煙雨の中

見わたすかぎり広々とつらなる平野の、あちらこちらから鶯の声が聞こえ、木々の緑が花の紅と映じ合っている。水辺の村や山ぞいの村の酒屋のめじるしの旗が、春風になびいている。

一方、古都金陵には、南朝以来の寺院がたくさんたち並び、その楼台が春雨の中煙っている。

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コメント

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投稿: supreme air force 1 | 2013年11月14日 (木) 16時28分

 我が家には、先祖が書いた「7語絶句」の
漢詩の扇がありますが、何と書いてあるのか
全く、わかりません。どなたか内容のわかる方がおりましたら、教えてください。

 明治39年(丙午年)に書かれたものです。

投稿: S.Kubota | 2015年6月 2日 (火) 14時19分

 我が家には、先祖が残した「扇」がありますが、
何と書いてあるのかわかりません。

 明治39年(丙午年)に書かれた、7音絶句の漢詩のようです。

投稿: S.Kubota | 2015年6月 2日 (火) 14時23分

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