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2013年10月26日 (土)

≪読書感想≫変・Change(莫言)

9784750337685

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◆中国で、「文学」は如何なる境遇にあるか?

図書館で、『変・Change』(莫言)を借りて読んだ。

私の関心は、著者(莫言)が“中国籍”の作家である事だ。

もっと言うと、中国は言論統制の国である。

「文学」は如何なる境遇にあるか?と言う事・・・。

それが私の「関心」の的だった。

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◆「彩詩の官」の伝統

中国共産党(中央)は、反体制の「政治活動」には敏感だ。

だが、莫言氏も含めて、「文学或いは作家」には寛大である。

古来中国には、「彩詩の官」の伝統があり、詩歌は為政者と民衆をつなぐ「かけ橋」となっていた。

毛沢東も、自ら『漢詩』を作っている。

いわば「漢詩」は、『科挙』試験の“必須”科目であった。

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◆莫言の危うさ

ノーベル平和賞受賞者の反体制活動家・劉暁波とは違って、莫言は中華人民共和国の検閲(中国のネット検閲・金盾)を容認している。

だが、莫言が、「体制側の作家」だからと言って、作品の価値が下がるわけではない。

訳者の長堀祐造氏は、次のように解説している。

ともあれ莫言は、被抑圧体験を経た生活者としての庶民的観点とした作家の批判的精神とを、ふたつながら保持して書くというぎりぎりの線を歩んでいる。見事な二重性と言えるが、そこに危うさを見る人たちがいるのも事実ではある。

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◆文学と政治の領域

最初の私の関心(「文学」は如何なる境遇にあるか?)に戻る。

体制か、反体制か?というのは文学或いは作家にとって無意味な事である。

例えば、わが国のノーベル文学賞受賞作家・大江健三郎は、「反原発」を呼びかけているが、彼は作家であって、「反原発」の“政治的スタンス”には何の価値もない。

中国の反体制活動家・劉暁波氏は、“拘束”されているが、大江健三郎氏は「政治」の領域に“自由”に徘徊している。

政治と文学の“領域”は違うのである。

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