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2013年8月18日 (日)

≪漢詩鑑賞≫胡笳の歌、顔真卿の使して河隴に赴くを送る(岑参)

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◆作者・岑参(しんじん)

盛唐の詩人(715?~770)。

名門の出身であるが、幼い時に父を亡くしたため貧しく、苦学して30歳のころ進士に及第した。

その後、安西節度使の掌書記、安西都護符の節度判官となって従軍し、主に新疆方面を見聞した。

この体験から、高適(こうせき)、王昌齢(おうしょうれい)、王之渙(おうしかん)などとともに辺塞詩人として知られている。

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◆顔真卿(がんしんけい)

玄宗、粛宗、代宗、徳宗の四代につかえ、安禄山の乱(755)で大巧を立てた忠臣。

常に節を曲げず、そのため権臣らに嫌われしばしば左遷された。

この詩は、顔真卿が監察御史として河隴に出張する時、まだ西域に行ったことのない岑参(33歳)が、長安で彼を見送った作とされている。

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胡笳の歌、顔真卿の使して河隴に赴くを送る

君不聞胡笳聲最悲  君聞かずや胡笳(こか)の声最も悲しきを

紫髥綠眼胡人吹   紫髥(しぜん)綠眼(りょくがん)の胡人(こじん)吹く

吹之一曲猶未了   之を吹いて一曲猶お未だ了(おわ)らざるに

愁殺楼蘭征戍兒   愁殺す楼蘭(ろうらん)征戍(せいじゅ)の兒(じ)

涼秋八月簫關道   涼秋八月簫関(しょうかん)の道

北風吹斷天山草   北風吹断す天山の草

崑崙山南月欲斜   崑崙山南月斜めならんと欲し

胡人向月吹胡笳   胡人月に向かいて胡笳を吹く

胡笳怨兮將送君   胡笳の怨み将に君を送らんとす

秦山遙望隴山雲   秦山(しんざん)遙かに望む隴山(ろうざん)の雲

邊城夜夜多愁夢   辺城夜夜愁夢(しゅうむ)多し

向月胡笳誰喜聞   月に向かいて胡笳誰か聞くを喜ばん

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君聞きたまえ、胡笳の音のこの上ない悲しい響きを。赤いひげ(紫髥)、青い目(緑眼)の北方の異人(胡人)が吹いているのだ。

胡笳を吹いて、その一曲がいまだ終わらぬうちに、遠い楼蘭に出征している健児を、深い愁いに沈ませる。

今は仲秋の八月、君の赴く簫関の道を思いやれば、そこには激しい北風が天山の草をちぎらんばかり吹きすさんでいることだろう。

はるかかなた、崑崙山の南には月が落ちかかろうとし、北の異人はその月に向かって胡笳を吹くことだろう。

この胡笳の怨みのこもった音で、今君を見送ろうとし、ここ秦の山々からはるかに君のゆく隴山の雲を見やる。

辺境の町では、毎夜旅愁に満ちた夢が多かろう。月に向かって吹く胡笳の音を、だれが喜んで聞くことだろうか。

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