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2013年3月 5日 (火)

≪漢詩鑑賞≫石壁精舎より湖中に還る作(謝霊運)

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◆謝霊運(しゃれいうん)

作者の謝霊運(385~433)は、六朝時代の詩人、晋の将軍謝玄の孫である。

霊運は、六朝を代表する大貴族の家系(謝氏)に生まれ、政治権力に大いなる志を持ったが果たせなかった。

霊運は、先祖からの資産にあかして山水の間に豪遊した。

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◆石壁精舎より湖中に還る作

この詩の自然描写は素晴しい。

詩に登場する「湖」とは、巫湖。

三方を山に囲まれ、五つの谷川が注ぎ込むという“名勝”として知られる。

後半は「景」から導かれた「情」の部分である。

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石壁精舎より湖中に還る作  謝霊運

昏旦變氣候  昏旦(こんたん)に気候変じ

山水含淸暉  山水清暉(せいき)を含む

淸暉能娯人  清暉能く人を娯(たのし)ましむ

遊子憺忘歸  遊子憺(やす)んじて帰るを忘る

出谷日尚蚤  谷を出でて日尚蚤(はや)

入舟陽已微  舟に入りて陽已に微なり

林壑斂瞑色  林壑(りんがく)瞑色を斂め

雲霞収夕霏  雲霞(うんか)夕霏を収む

芰荷迭映蔚  芰荷(きか)(たがい)に映蔚(えいい)

蒲稗相因依  蒲稗(ほはい)相因依(いんい)

披拂趨南徑  披払(ひふつ)して南径に趨(おもむ)

愉悦偃東扉  愉悦(ゆえつ)して東扉に偃(ふ)

慮澹物自輕  慮澹(しず)かにして物自ら軽く

意愜理無違  意愜(かな)いて理違う無し

寄言攝生客  言を寄す摂生(せっせい)の客

試用此道推  試みに此の道を用て推(お)

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(石壁精舎の辺りは)夕暮れと朝とでは、空気の様子、日の光の自然の情景が違う。山も水も清らかな光(清暉)を帯びている。

この清らかな日の光、その微妙な変化はよく人を楽しませる。だからここに遊ぶ私はうっとりとして、帰るのも忘れてしまう。

谷を出て遊びに出かけたのは、日も昇らないまだ朝も早い時刻だったが、舟に入って帰ろうとする時分には、夕暮れの太陽が、もうかすかになっている。

林や谷が夕暮れの色をすうーっと吸い込むようにだんだん暗くなってゆく。雲や霞は夕暮れの輝きを吸い込むように消えてゆく。

残照の中で、岸辺のひしやはすといった水草は互いに照り映え、がまやひえは互いに寄りかかっている。

舟を下りて、草や木をかぶったり払ったりしながら南の小道を走ってゆき、楽しい思い出で家に帰り、東の扉のところで身を横たえた。

思いは澹々(たんたん)として世間をどうでもよいと思う気分になり、我が心はすっかり満足して自分の本性に違うものはない。

道を楽しんで長生きしようとする、そういう人にはちょっと言ってやろう。このような生き方をためしにしてごらんと。

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