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2013年2月 1日 (金)

≪漢詩鑑賞≫燕の詩、劉叟に示す(白居易)

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(おきな)に愛子あり。叟に背いて逃れ去る。叟甚だ悲んで之を念う。叟少年の時亦(また)(かつ)て是(かく)の如し。故に燕の詩を作りて以て之を諭す。

子供に捨てられて悲しんでいる劉という老人に、老人自身の年少のころを反省させ、同時に子供が親の愛情を裏切る社会の社会の風潮を、燕に例えて諭した白居易の作品である。

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燕の詩、劉叟に示す 白居易<五言古詩>

梁上有雙燕  梁上双燕有り

翩翩雄輿雌  翩翩(へんべん)たり雄と雌と

銜泥兩椽閒  泥を銜(ふく)む両椽(りょうてん)の間

一巣生四兒  一巣四児を生む

四兒日夜長  四児日夜長じ

索食聲孜孜  食を策(もと)めて声は孜孜(しし)たり

靑蟲不易捕  青虫捕ら易(やす)からず

黄口無飽期  黄口飽くる期(とき)無し

嘴爪雖欲敝  嘴爪(しそう)(やぶ)れんとすと雖も

心力不知疲  心力疲れを知らず

須臾十來往  須臾(しゅゆ)にして十たび来往し

猶恐巢中飢  猶お巣中の飢(き)を恐る

辛勤三十日  辛勤(しんぎん)三十日

母痩雛漸肥  母は痩せ雛は漸(ようや)く肥ゆ

喃喃敎言語  喃喃(なんなん)言語を教え

一一刷毛衣  一一毛衣を刷(は)

一旦羽翼成  一旦羽翼(うよく)成れば

引上庭樹枝  引きて庭樹の枝に上らしむ

舉翅不回顧  翅(はね)を挙げ回顧せずして

随風四散飛  風に随いて四散して飛ぶ

雌雄空中鳴  雌雄空中に鳴き

聲盡呼不歸  声尽き呼べども帰らず

卻入空巢裏  却(かえ)って空巢の裏に帰らず

啁啾終夜悲  啁啾(ちゅうしゅう)終夜悲しむ

燕燕爾勿悲  燕よ燕よ爾悲しむこと勿かれ

爾當返自思  爾当(まさ)に返って自らを思え

思爾爲雛日  爾の雛為(た)りし日

高飛背母時  高く飛びて母に背きし時を思え

當時父母念  当時の父母の念

今日爾應知  今日爾応に知るべし

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梁の上に二羽の燕(つばくろ)が住み、身軽(翩翩)に飛び交いながら雄と雌が、泥をくわえてきて、二本のたるき(両椽)の間に巣づくりをし、中に四羽の雛(ひな)を生んだ。

四羽の雛は日ごと生長し、食物を欲しがって、ピーピー(孜孜)と声をあげて鳴く。えさの青虫は簡単には捕まらないし、雛たちの腹は満ちるときがない。

親鳥のくちばしとつめは、今にも傷つきやぶれそうだが、雛鳥のために、心も体も疲れを忘れて一生懸命、またたく間に(須臾にして)、十回も行き来してえさを運び、それでもまだ巣の中の雛が腹をすかせぬかと心配する。

苦労に苦労をかさねて三十日、母鳥は痩せたが、雛はしだいに太ってきた。ピーチクパ―チク(喃喃)と言語を教え、一枚一枚、羽をきれいにそろえてやる。

そうして、羽がすっかり生えそろうと、飛ぶ力を教えるため、庭の木の枝に雛をつれて上らせる。ところが雛たちは、飛べるようになると羽をひろげてふりかえりもせず、風にのり四方に飛んでいってしまった。

雌雄二羽の親鳥は空中で鳴き、声をかぎりに子を呼んだが、とうとう帰ってこない。仕方なく子鳥のいなくなった巣に戻り、夜どおし悲しい泣き声をあげる。

燕よ燕よ、お前たち悲しんではいけない。自分たちのことをふり返って考えてごらん。お前たちがまだ幼かった雛だった日、やはり高く飛び去って、母に背いたときのことを思い出してごらん。

あのときの父母の悲しい心のうちを。今日こそお前たちも身にしみてわかったことだろう。

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