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2012年9月29日 (土)

≪漢詩鑑賞≫史郎中欽と黄鶴楼上に笛を吹くを聴く(李白)

この詩は、李白58歳の作。

安祿山の乱の後、永王璘の水軍に加わった罪により、夜郎に流されていく途中、郎中(尚書省の官吏)の史郎と黄鶴楼に登り、「落梅花」の曲を聞いてつくったもの。

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史郎中欽と黄鶴楼上に笛を吹くを聴く

<輿史郎中欽聴黄鶴楼上> 

     李白・七言絶句

一爲遷客去沙  一たび遷客と為って長沙に去る

西望安不見家  西のかた長安を望めども家を見ず

黄鶴樓中吹玉笛  黄鶴楼中玉笛を吹く

江城五月落梅花  江城五月梅花

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このたび遠い夜郎に流される身(遷客)となり、長沙(湖南省洞庭湖の南にある町、黄鶴楼の地を指す)の地に来た

西のかた長安の方角を望んでも、わが家は見えない

黄鶴楼の上で、望郷の念にかられていると、楼中で美しい笛(玉笛)を吹いているものがある

この長江流域の町(江城)で、五月というのに、あの「落梅花」の曲を聞こうとは

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◆老いの思想

今、読書中だが、『老いの思想~古人に学ぶ老境の生き方』(安西篤子著)は、面白い本だ。

古今東西の人物の晩年の生き方を集めている。

次の通り、<目次>を見ただけで、作者の思いが的確に伝わるのである。

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①吉田兼好と「徒然草」 忘れることこそ老境の上手な処し方

②世阿弥と「風姿花伝」「至花道」「花鏡」 老後の初心忘るべからず

③宮本武蔵と「五輪書」「独行道」 剣豪が死に望んで考えたこと

④孔子と「論語」 老いにも気づかぬ一途な生き方

⑤「十八史略」と「資治通鑑」に見る即天武后 政治には賢臣を、身辺には美少年を

⑥詩作から見た李白 最晩年、心ならずも謀叛の罪を負った大詩人

⑦ラ・ロシュフコ―と「箴言集」 大の女好きが若さを失ったとき

⑧ゲーテと「ゲーテ格言集」 年を取るとは新しい仕事につくこと

⑨アンドレ・モロアと「私の生活技術」 年を取るとは不思議なことである

⑩新井白石と「折たく柴の記」 老いを自覚するとき人は来し方を振り返る

⑪根岸鎮衛と「耳袋」 朝寝ものぐさ物忘れ、それこそよけれ世にたらぬ身は

⑫宮本常一と「家郷の訓」 日本人は老いとどう向き合ってきたか

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◆最晩年、心ならずも謀叛の罪を負った大詩人~李白

『老いの思想』の著者は、<はじめに>で次のように書いている。

「この一冊は、どの章から読んでいただいてもよい。興味ある人物の晩年を、まず玩味し、つぎに移っていかれることをおすすめする。」

私は、早速、“李白の章”から読み始めた。

今まで『漢詩鑑賞』で、何度か詠んだ李白の詩も、時代背景や境遇を知ると、また違った味わいが伝わってくる。

著者は、「最晩年、心ならずも謀叛の罪を負った大詩人」と称していて、李白の人生を次の3つの時期に分けている。

①一介の詩人、天子に召されて絶頂のとき

②四十四歳で宮廷を追われ流浪すること十余年

③白髪三千丈、いずこよりか秋霜を得たる

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