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2012年4月14日 (土)

≪書評≫自滅するな日本(ケビン・メア×田原総一朗)

北朝鮮のミサイル失敗から1日経過した。

米国には(一応)北朝鮮を非難しているが、他方では、「北朝鮮を刺激し過ぎると北が核実験する」ことを懸念する考えもある。特に、国務省内には、このような静観論(=融和路線)が根強い

世界一の大国・アメリカ合衆国は、過去何度も、このような融和路線によって北朝鮮に手玉に取られ欺かれてきた。“融和路線”は、米国最大の愚策である

「刺激し過ぎると北が核実験する」という懸念こそが、既に北朝鮮・中国の術中に陥っているのである。北朝鮮に対する“融和路線”とは、本質的に「中国に対する融和路線」を意味するのである

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◆アメリカの本音とは?

「アメリカの本音」を知る上で重要なキ―パーソンの一人が知日派のケビン・メア氏である。

ケビン・メア氏との対談を、田原総一朗氏が編集したのが、本書『自滅するな日本』の内容である。

タイトルの“自滅するな日本”という日本語は分りにくいが、“Don’t Fall Japan”という意味だそうだ。

裏表紙には、これがアメリカの本音だ!として次のように記していた。

普天間が固定化されても、米軍には何の不都合もなし

アホかと思った、鳩山首相の「最低でも県外」発言

強い指導力を発揮しなければ、沖縄の問題は解決しない

「すべての国にメリットがある」がアメリカのTPPのスタンスだ

日米は重要な同盟関係で、米中関係とはまったく違う

中国が尖閣諸島を占拠すれば、米軍は自衛隊と戦う

根本問題を解決しないで、原発処理が進むワケがない

自滅するな日本、決断せよ!

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◆“挑発”する田原氏、“冷静”なメア氏

本著は、メア氏と田原氏の対談が内容である。

ケビン・メア氏と言えば、朝日新聞などの〝言葉狩り”に遭って・・・米国国務省日本部長を解任されたので、一部のマスコミは「無礼で、粗暴なアメリカ人」という印象を与えていた。

だが、実際は違う・・・。

(田原氏は、例の調子で)「挑発」しながら訊いていたが、メア氏は「冷静に」答えていた。

「無礼で、粗暴」なジャーナリスト田原氏の「挑発」に対して、「知日派」のメア氏は最後まで真摯で思慮深く「冷静」だった。

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◆「知日派」ケビン・メア氏の限界

二人の議論は、沖縄・普天間、日米同盟、中国・北朝鮮、原発、TPP・・・と、多岐に及んだ。

田原氏は、「この本を読めば、アメリカの本音、イラだちが明らかになるだろう」と、田原氏らしい“ハッタリ”を述べている。

しかし、メア氏の考えがアメリカの本音でもないし、田原氏が日本人の考えを代弁している訳ではない。

特に、「誰も責任を取りたくない国」の背景について、田原氏が「天皇制にある」と発言し、メア氏が「天皇制と言うより議院内閣制が問題」と発言した議論である。

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◆「誰も責任を取りたくない国」日本?

田原氏の「天皇制」発言は偏っている。

少し前に、“女性宮家創設”問題では、田原氏は「男女同権、男女共同参画」の今の世で、“女性宮家創設”は当然だ」と語っていた。

「男女同権」「男女共同参画」といった世間一般の“価値観”の延長で「天皇制」を論じていたのには驚いた。

田原氏の「天皇制」発言は、日本人の考えを代弁していない。

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◆過去の総括

“過去の総括”について、メア氏の「日本人の謝り方が曖昧」という〝日本理解”は、間違いである。

「知日派」のケビン・メア氏ですら“日本理解”には、限界があると言わざるを得ない。

戦前の問題をいろいろ突き詰めて考えていくと「天皇制に行き着く」という田原氏の考えは間違いだが、メア氏も間違っている。

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「謝り方が曖昧だ」と言う事ではない。そうではなくて、国際舞台で「ロビー活動」が脆弱な日本外交の実態が原因なのである。国際舞台での「戦争」は、ずうっと続いているのである。これは、政治の問題である。

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コメント

ケビン・メア氏の「自滅するな日本」を検索し、ブログを拝見しました。
氏の著作を読んでいませんので、考察は異なりますが、「過去の総括について・・・「日本人の謝り方が曖昧」」について私は、理解できます。
現実的に考えれば、日本は敗戦(無条件降伏)したのです。これは歴史上の事実です。
過去数世紀の日本史・世界史から考えても、勝者は敗者に優るのは当然です。現代のような国際システムがない封建時代であれば、滅亡もあり得た事例です。
国力とは、政治力、経済力、軍事力、技術力の4力を言います。
自国の正しい分析をしなければなりません。
謝り方が曖昧ということは、正しい現実を日本人はまだ理解していないと考えているのです。
政治とは民意の表れであり、政治の問題はすなわち国民の質に起因するといえます。
メア氏の提言は、正に知日派らしく、私は理解できます。


投稿: ゴン | 2012年6月14日 (木) 17時30分

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