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2012年3月12日 (月)

≪漢詩鑑賞≫八月十五日の夜、禁中に独り直し、月に対して元九を憶う  白居易

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白居易39歳の時の作。宮中に独り宿直した作者が、月を見ながらはるか遠くへ流されている親友・元九(元微之)を思って作った七言律詩である。<1>

白居易44歳の時、江州の司馬に左遷されたが、長安から任地に赴く途中にも『舟中、元九の詩を読む』という親友を思う七言絶句を作っている。<2>

元九もまた親友・白居易の身を思い『楽天の江州司馬を授けられしを聞く』(七言絶句)を作った。<3>

白居易は2年後に、『元微之に与うるの書』で、「この詩は他人でも聞くにたえない。まして当人の私はなおさらだ。今も吟ずるたびに心が疼く」と元九の友情に感謝し、絶賛した。

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<1>八月十五日の夜、禁中(=宮中)に独り直(ととのい)し、月に対して元九を憶う

銀臺金闕夕沈沈  銀台金闕(ぎんだいきんけつ=高殿)(ゆうべ)沈沈(夜がふける)

獨宿相思在翰林  独宿(どくしゅく)相思いて翰林(かんりん=翰林院)に在り

三五夜中新月色  三五夜(さんごや=十五夜)中新月(ちゅうしんげつ)の色

二千里外故人心  二千里外(がい=彼方)故人(=旧友、元九をさす)の心

渚宮東面煙波冷  渚宮(しょきゅう)の東面(とうめん)煙波(えんぱ)冷ややかに

浴殿西頭鐘漏深  浴殿(よくでん)の西頭(せいとう)鐘漏(しょうろう)深し

猶恐淸光不同見  猶お恐る清光(=清らかな月光)同じく見ざるを

江陵卑濕足秋陰  江陵は卑濕(ひしつ=低く湿気が多い)にして秋陰(しゅういん=秋のくもり)(おお)

☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆

<2>舟中、元九の詩を読む

把君詩卷燈前讀  君が詩卷(しかん)を把(と)って灯前に読む

詩盡燈殘天未明  詩尽き灯(ともしび)残りて天未だ明けず

眼痛滅燈猶闇坐  眼痛み灯を滅(け)して猶お闇坐(あんざ)すれば

逆風吹浪打船聲  逆風浪を吹いて船を打つ声

☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆

<3>楽天の江州司馬を授けられしを聞く

殘燈無焔影憧憧  残燈(ざんとう)焔無く影憧憧(どうどう=光が揺らめく様)

此夕聞君謫九江  此の夕べ君が九江に謫(たく=左遷)せらるるを聞く

垂死病中驚坐起  垂死の病中驚いて坐起(ざき=いずまいを正す)すれば

暗風吹雨入寒窓  暗風(あんぷう)雨を吹いて寒窓(かんそう)に入る

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コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

投稿: ビジネスマナーのメール | 2012年4月 7日 (土) 11時13分

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