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2011年12月26日 (月)

≪漢詩鑑賞≫石壁精舎より湖中に還る作(謝霊運)

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作者の謝霊運は、の将軍謝玄の孫。謝氏は六朝を代表する貴族の家系であった。霊運は政治に大いなる志をもったが、王朝交代期に会い、果たせなかった。

失意の霊運は山水の間に遊んだが、その様子は豪勢なものだった。常識外れの行動に出たため、世間の非難を浴び最後は死刑に処せられた。

※石壁精舎・・・謝霊運の故郷にある書斎。

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石壁精舎還湖中作(石壁精舎より湖中に還る作)

昏旦變氣候  昏旦(こんたん)に気候変じ

山水含淸暉  山水清暉(せいき)を含む

淸暉能娯人  清暉能く人を娯(たのし)ましむ

遊子憺忘歸  遊子憺(やす)んじて帰るを忘る

入舟陽已微  舟に入りて陽已に微なり

林壑斂瞑色  林壑(りんがく)瞑色(めいしょく)を斂め

雲霞収夕霏  雲霞(うんか)夕霏(せきひ)を収む

芰荷迭映蔚  芰荷(きか)(たがい)に映蔚(えいい)

蒲稗相因依  蒲稗(ほはい)相因(あいいん)(い)

披拂趨南徑  披払(ひふつ)して南径に趨(おもむ)

愉悦偃東扉  愉悦(ゆえつ)して東扉に偃(ふ)

慮憺物自輕  慮(りょ)(しず)かにして物自ら軽く

愜理無違  意(い)(かな)いて理違う無し

寄言攝生客  言を寄す摂生(せっせい)の客(かく)

試用此道推  試みに此の道を用(もつ)て推(お)

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石壁精舎の辺りは夕暮れ(昏)と朝(旦)とでは空の様子(気候)、日の光の自然の情景が違う。山も水も清らかな光を帯びている。この清らかな日の光(清暉)、その微妙な変化はよく人を楽しませる。だからここに遊ぶ私はうっとりとして、帰るのも忘れてしまう。

谷を出て遊びに出掛けたのは、日も昇らないまだ朝も早い時刻だったが、舟に入って帰ろうとする時分には、夕暮れの太陽が、もうかすかになっている。林や谷が夕暮れの色(瞑色)をすうーっと吸い込むようにだんだん暗くなってゆく。

雲や霞は夕焼けの輝き(夕霏)を吸い込むように消えてゆく。残照の中で、岸辺のヒシやハスといった水草(芰荷)は互いに照り映え(映蔚)、蒲や稗は互いに寄りかかっている。

舟を下りて、草や木をかぶったり払ったりしながら南の小道を走ってゆき、楽しい思い(愉悦)で家に帰り、東の扉のところで身を横たえた。

思いは憺々として世間(物)をどうでもよいという気分になり、我が心はすっかり満足して自分の本性に違うものはない。道を楽しんで長生きしようとする、そういう人にはちょっと言ってやろう(寄言)。このような生き方(此道)を試してごらんと。

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