« 野田総理がそう言うなら「捨て石」になって頂こう | トップページ | 幼児虐待は、何故起きるのか »

2011年12月 5日 (月)

≪漢詩鑑賞≫金州城下の作(乃木希典)

1634533 C0013687_2334220

☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆

◆坂の上の雲

昨夜は、日露戦争を題材にした『坂の上の雲』(NHKテレビ再放送)を観た。

病床の正岡子規を秋山直之が見舞った時、子規は次のように言った。

「直さんの世界は広い、自分(子規)の世界は深い」

また、別の場面では、乃木将軍の世界は悲しいと感じた。

これは、乃木希典の作である。

☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆

金州城下作(金州城下の作) 乃木希典

山川草木轉荒涼  山川(さんせん)草木轉(うた)た荒涼

十里風腥新戦場  十里風腥(なまぐさ)し新戦場

征馬不前人不語  征馬前(すす)まず人語らず

金州城外立斜陽  金州城外斜陽(しゃよう)に立つ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

乃木希典は、日露戦争では旅順攻略の将軍として有名であるが、若い時は漢詩文を学んだ文学好きの人であった。

金州は大連の北東にある。このはずれの南山は旅順攻略の要地で、大激戦が行われた。この戦いで、彼の長男・勝典が戦死した。

彼はその十日ほど後に、この南山に至り戦没者の霊を弔った。

この詩は、その時の作。

起句には、「山川草木」とあるが、杜甫の『春望』が思い浮かぶ。

国破れて山河在り 城春にして草木深し ・・・・・・

この詩には、長男の死や多数の兵を失った悲しみの情が伝わる。乃木希典は、戦死者と遺族に対する自責の念は深かった。

「凱旋(がいせん)に感有り」でも「愧(は)ず我何の顔((かんばせ)ありて父老に看(まみ)えん」

凱旋将軍とは異質の、乃木希典の「悲しみの世界」を感じる。

======================

写真(下)は、南山の麓から見る金州の街の現在の姿。当時とはすっかり様変わり、街にはビルがそびえ立つ。

Lrg_23585529

|

« 野田総理がそう言うなら「捨て石」になって頂こう | トップページ | 幼児虐待は、何故起きるのか »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/564386/53409949

この記事へのトラックバック一覧です: ≪漢詩鑑賞≫金州城下の作(乃木希典):

« 野田総理がそう言うなら「捨て石」になって頂こう | トップページ | 幼児虐待は、何故起きるのか »