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2011年10月26日 (水)

≪書評≫『朝鮮王朝の歴史と人物』(康煕奉著)

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◆読んで楽しめる本

著者の康煕奉(カン・ヒボン)氏は、1954年東京生まれ。両親が韓国・済州島出身の在日韓国人2世。

本著『朝鮮王朝の歴史と人物』は、表紙に「知れば知るほど面白い」「イ・サンやトンイ、ファン・ジニなど朝鮮王朝ドラマを10倍楽しめる!」とある。

“歴史好き”の私は、『スターバックス』でゆっくりコーヒーを飲みながら、実に面白く、アッという間に読み終えた。

この著書は、“韓国の歴史”の本というよりは、「朝鮮王朝ドラマ」を楽しむ“娯楽本”であるから、気軽に読むべきである。

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◆韓流ドラマの特徴

著者は、韓流ドラマの特徴を次のように述べている。

①物語が非常に長い(執念深い)

②成功物語(サクセスストーリー)で、誰もが勇気をもらえる

③史実よりも創作(フィクション)が優先

そして、朝鮮王朝の特徴を次のように述べている。

①王を頂点とする強固な中央集権体制

②徹底した儒教社会「身分制度」が生活規範のすべて

③政治は(日本の封建時代と違い)武人ではなく、高等官僚が仕切っていた

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◆半島人の事大主義とは?

著者は次のように述べている。「事大主義とは、“大に事(つか)える”と言う事」、「中国に対する外交政策の基本姿勢を表している」と・・・。

「日本は島国であることで、国防上どれほど助かってきたことか。一方の朝鮮半島は中国大陸と陸続きなので、有史以来、数えきれないほど中国から侵攻を受けている」「その恐怖心たるや先祖から子孫まで骨の髄までしみ入っていた」(さらに続く)

「朝鮮半島の国家にとって、中国を怒らせないことがいつの時代でも存亡の鍵だった」「(中国に対しては)まるで腫れ物扱いだった」とある。

半島人のメンタリティーを理解する上で、面白い<記述>である。

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◆「反日」とは、中国に対する“恐怖心”の裏返しである

中国の皇帝は自らを“世界の頂点”と自負しており周辺国家に自分と同等の人間がいることを認めなかった。

それ故、歴代の朝鮮王朝は、中国に使者を送って臣下の礼を取った。中国に従属して行動したのである。

それは中国に対する“恐怖心”からである。

その反面、日本に対しては「同じ国王」としての“対抗心”がある。

その“対抗心”が、昨今の韓国国民の「反日」意識にも発露されているのではないか、と私は思う。

日韓関係は、お互いに、「尊敬し」「対等であるべき」と私は主張するが、実際には韓国では歪んだ「反日」意識が民族主義の発露として存在する。それは何故か・・・?

「反日」とは、中国に対する“恐怖心”の裏返しなのである。

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◆概ね良好だった日韓関係史

①白村江の戦い(唐・新羅連合軍対倭国・百済連合軍)

②倭寇(対馬を拠点とした半島沿岸の略奪)、

③元寇(高麗軍による対馬・壱岐の住民を殺戮・連行)

④秀吉の朝鮮出兵(朝鮮半島から陶工、儒者、僧侶たちが専門的な技術や学識をもっているという理由で日本に連れ去られた)

④下関条約(1895)・・・日清戦争の講和条約

⑤日韓併合(1910)

など、日本との間で歴史的な幾多の節目や“接触(戦い)”があるのであるが、これは日韓関係史のすべてではない。

1910年の日韓併合は、清の影響力が低下する中で、正式の外交手続きを経たもので、決して侵略ではない。

日韓関係史は、もし「中国が居なかったら」概ね良好だったのである。

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☆楽しんで読むべき本である

(写真は朝鮮王朝ドラマ『トンイ』の制作発表の一場面)

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