《漢詩鑑賞》鹿柴(ろくさい) 王維
鹿柴(ろくさい) 王維
空山不見人 空山(くうざん)人を見ず
但聞人語響 但だ人語(じんご)の響きを聞く
返景入深林 返景(へんけい)深林に入り
復照靑苔上 復た照らす青苔(せいたい)の上
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鹿柴(ろくさい)とは、輞川(もうせん)二十景の一つ。作者の王維(盛唐の詩人)は優れた詩をつくり、画にも書にも、さらに音楽にも多彩な才能にも恵まれていた。
前半二句は「空山不見人」「但聞人語響」によって、見事なまでに静寂さが強調されている。後半二句は深林の中で、偶然見せる夕日の赤と苔の緑が印象的である。
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シーンとした山(空山)に、人の姿は見えない
ただ人の言葉の響きだけが聞こえる
夕日の光(返景)が深い林の中にさしこんできて
木々の根もとの苔(こけ)を青々と照らし出す
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