« 漢詩を鑑賞する | トップページ | 偉人・石原慎太郎(東京都知事) »

2011年1月25日 (火)

経済(政策)と政治の分岐点

◆<読書感想>デフレの正体(藻谷浩介著)

自民党政経塾(深谷隆司塾長)の塾長代行・小田全宏先生が「これは呼んだ方がいい」と推奨する本『デフレの正体』(藻谷浩介著・角川書店)をサッと読んでみた。

「この本は、普通の日本人が日本経済に感じている不安の正体を、曖昧な言葉を使わず、簡単な理屈でわかりやすく仕分けします」(まえがき)ので、経済素人の私にも読みやすいものであった。

☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆

私は、本を読むときには、「まえがき」と「あとがき」を読み、目次を見ることにしている。それだけで、内容は概ね理解できる。(あるいは解かったつもりでいる)

それから、時間をかけないで中身をサッと読む。私が、精読しないのは、なにも忙しいからではない。

むしろ時間はたっぷりあるが、長い時間の「読書」は、数年前の網膜剝離の手術の後の右目が極端に疲れるからだ。(それだけの理由である)

=====================

83_001

◆経済は「人口の波」で動く

この本のサブテーマは、~経済は「人口の波」で動く~である。経済の「総合指標」や「平均値」でとらえることを否定していて、世の中のピント外れの処方箋(経済政策)を否定している。

なるほどと思う。今まで、経済と言えば「総合指標」「平均値」などを対象としているものと思い込んでいた。「そうではない」というのだ。

☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆

◆学問研究としての政治と経済

「平均値」など数字を扱う経済というものには、(とりわけマクロ経済には関心が薄かった私にとっては、このこと自体錯覚であるが)共感できる。

政治の原点が、「困った人を助けるため」にあり、「極端な例」を対象とする“法治主義”を採用している、と思っている。

言わば、若いころから「経済・数学には関心が無く、政治・歴史・文学好き」なのである。

☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆

◆市場原理と政治的「規制」

「平均」対「極端」・・・。これが、「政治(学)」と「経済(学)」の対象とすべきものの“違い”だと思っている。

だから、経済の事は出来るだけ「市場原理」に任せるべきであって、政治家が「経済政策」を云々しても的外れである。シロウトの政治家が「経済」を語るなかれという思いである。

専門の「経済学者」ですら、“景気予測”なるモノは当たらない事がほとんどである。

☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆

◆「最小不幸社会」(菅直人)なる発言

菅直人総理は、昨日の国会演説で、経済政策にふれ「最小不幸」社会の実現と表現した。しかし、これは政治的な表現であって、経済政策としては間違いだろうと思う。

正しくは、「最大多数の最大幸福」と言うべきであって、結果として「不幸な人」に照準をあてるのが経済政策ではないからである。

セーフテイネットを構築し、あるいは再チャレンジ等で、「不幸な人」を引き上げるのは、経済政策とは別の“政策”なのである。

☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆

◆対立軸があいまい

昨日の「たけしのTVタックル」で、山際氏が今後の「政局予測」をしていた。その際に、よこ軸が、「左側・リべラル(度)~右側・保守(度)」で、たて軸には、「上・米国(度)~下・中国(度)」という座標軸(対立軸)が示されていた。

この座標軸(対立軸)は、「政治家の国家観」を仕分けする場合としては解り易い。「保守派」と呼ばれる政治家にも、「米国寄り」「中国寄り」「独立自尊」と色々あるから・・・。

戦後、自民党政府以来、今日の民主党政権に至るまで、あらゆる「対立軸」を隠ぺいし、美辞麗句という詭弁を弄してきた。

☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆

◆経済政策での「対立軸」はあるのか?

話を、「デフレの正体」についての感想に戻す。著者が指摘する「経済は、人口の波で動く」という指摘は、(文中の「ネット右翼」批判の政治的発言を除けば)概ね的を得ている。

しかし、政治と経済では、自ずと分岐点があり、政治家が「経済を論ずる」ことも、経済学者が「政治を論ずる」ことも、間違いが多いのである。

☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆

◆思い込みの殻にヒビを入れる

気がついてみると、著者の言う通り、「人口の波」があらゆる経済の下部構造に影響を及ぼしている。「人口の波」は、国境を超えて押し寄せ、「家庭」にも「学校」にも、「企業」にも政治的にも影響を及ぼしている。

このような大きな潮流の中にあって、「民主党」だ、いや「自民党」だ云々、誰が次の総理に相応しいか云々などということを論評することは意味が無い事である。

=================

81_002

|

« 漢詩を鑑賞する | トップページ | 偉人・石原慎太郎(東京都知事) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/564386/50682740

この記事へのトラックバック一覧です: 経済(政策)と政治の分岐点:

« 漢詩を鑑賞する | トップページ | 偉人・石原慎太郎(東京都知事) »