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2010年12月 8日 (水)

アジア三国志~中国・インド・日本の大戦略(ビル・エモット著)

行きつけの千葉市中央図書館で、(ほとんど速読であるが)『アジア三国志』を読む。

これは、大ベストセラー『日はまた昇る』の知日派で、英<エコノミスト>元編集長、ビル・エモットの著書(伏見威蕃訳・日本経済新聞出版社)である。

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◆三国志のドラマ

21世紀の主導権と巨大な権益を巡り、三つどもえの争いを繰り広げるアジア三大国ー中国・インド・日本。

かつて一度も、アジアで強国が3ヶ国も共存したことがない。

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著者は、21世紀アジアの巨大な可能性とその裏に潜むリスクを、豊富な統計資料を駆使して検証している。

「三国志」とは興味深いタイトルであるが、我が日本国の前途は不透明なままである。

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◆中国~世界の中心の国、問題の中心

1989年天安門事件以来、中国は(以前はスローガンの中心だった)「銃によって政権が生まれる」などの『毛沢東語録』を捨て、経済発展に集中し「微笑外交」を展開した。

中国共産党政府が、推進する「市場経済導入」を正当化するために「白ネコでも黒ネコでも、ネズミを捕るのが良い猫だ」とした。

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◆中国の最大の弱みは共産党一党独裁であること

中国は、政治的には「共産主義」=「独裁政治」を維持しながら、公の政策では徹底したプラグマティズムを採ってきた。

毛沢東の共産党も、蒋介石の国民党も、インドがアジアの主導権を握るのを嫌った。中華思想を根幹にもつ辛亥革命(1911)の孫文は、日露戦争で日本がロシアを破ったことに鼓舞された。

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◆インド~数が多く、ごたまぜで、勢いに乗っている

日本にとって、中国はアジアでもっとも古くから対立している国である。うわべだけ見ると、日本と中国には、(せいぜい漢字を共有している以外)ほとんど共通性がない。

しかし、インドとの関係は友好的である。

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◆世界人口の半分が3国に集中している

2006年~07年の安倍内閣では、インドを最大の仲間としてアジアで、「自由と繁栄の弧」を築くべき最も歴史の長い民主主義国とした。

やがて中国の成長は鈍るか、5%程度に留まるが、人口が増え続け平均年齢が圧倒的に低いインドは、なおも10%以上の成長を続ける。

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◆日本~パワフル、脆弱、老齢化

本書は、アジアを俯瞰する視座から、日本・中国・インドの歴史や現況、抱えている難問や他国との軋轢、それぞれの強みや弱みが示されている。

アジアと言う言葉は、民族や人種という意味合いを含んでいない。アジアは一つではない。まして、東アジア共同体は“虚構”である。

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◆アジアという単一の存在はない

「アジア」という概念は、ヨーロッパの地図作成学者に押し付けられた便宜的なものである。「極東」の日本をアジアの一員と見るのは何の意味も持たない。

13世紀チンギス・ハーンとその後継者がアジア全体を結ぶ一本の糸だった。しかしそのモンゴル(元)ですら、日本を支配下に収める事はできなかった。

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